はじめに
トヨタが誇る伝説のスポーツカー「スープラ」。その名前を聞くだけで、胸が高鳴るクルマ好きも多いでしょう。1970年代から続くスープラの歴史は、日本車のスポーツカー文化そのものを象徴してきました。そんな名車が、ついに2026年をもって生産終了を迎えることが明らかになりました。つまり、今のモデルが“最後のスープラ”になる可能性が高いのです。
本記事では、スープラの長い歴史から、現行モデルの詳細スペック、外装・内装デザイン、価格、維持費、そして今後の展望までを、徹底的に解説します。これから購入を検討している方、あるいはスープラファンの方にとって、保存版となる内容です。
スープラの歴史
初代〜第4世代:日本が誇るスポーツカーの系譜
1978年、「セリカ スープラ(Celica Supra)」として登場した初代モデルは、当時のトヨタが「世界に通用するGTカー」を目指して開発したものでした。直列6気筒エンジンを搭載し、上質な走りと高い信頼性で人気を博しました。
その後1986年にはA70型が登場。ボディサイズが拡大され、パワーも格段に向上。国内外のレースシーンで名を馳せました。そして1993年に誕生した第4世代「A80型」は、名機2JZ-GTEエンジンを搭載し、280馬力規制下でも圧倒的な加速性能を誇りました。『ワイルド・スピード』シリーズにも登場し、スープラの名は世界的なアイコンとなったのです。
第5世代(A90/A91型):17年ぶりの復活
2002年の生産終了から17年後、2019年に復活した第5世代「GR Supra」。トヨタとBMWの共同開発により誕生したこのモデルは、BMW Z4とプラットフォームやエンジンを共有しつつ、Gazoo Racing(GR)による専用チューニングを受けた“ピュアスポーツカー”として登場しました。
オーストリアのマグナ・シュタイヤー社で生産され、トヨタのエンジニアによる独自の味付けが施されています。コンパクトなボディに強力な直列6気筒ターボを搭載し、「操る歓び」を重視した仕上がりは多くのドライバーを魅了しました。
そして2026年、生産終了へ
2025年秋、トヨタは2026年モデルをもってスープラの生産を終了すると正式発表しました。これにより、現行スープラはわずか7年という短いライフサイクルで幕を閉じることになります。ファイナルモデル「GR Supra Final Edition」は、限定生産・特別仕様として登場予定で、世界中のファンが注目しています。
車のスペック詳細
エンジン・パワートレイン
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型式: B58型 3.0L直列6気筒DOHCターボエンジン(BMW製) -
排気量: 2,998cc
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最高出力: 388PS / 6,500rpm
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最大トルク: 499Nm(約51.0kgm) / 1,800〜5,000rpm
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駆動方式: FR(後輪駆動)
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変速機: 6速MT / 8速スポーツAT
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0-100km/h加速: 約3.9秒
エンジンはBMW製ながら、トヨタ独自の制御ロジックで味付けされ、アクセルレスポンスや排気音に“GRスピリット”が息づいています。マニュアルモデルは2023年から追加され、ピュアな走りを求めるファンに支持されています。
シャシー・サスペンション
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サスペンション形式:前 ダブルジョイント式ストラット/後 マルチリンク式 -
ステアリング:電動パワーステアリング(可変ギアレシオ付)
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ブレーキ:ブレンボ製4ピストンキャリパー(RZグレード)
サイズ・重量
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全長:4,380mm -
全幅:1,865mm
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全高:1,290mm
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ホイールベース:2,470mm
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車重:1,410〜1,530kg
このコンパクトなボディと低重心設計が、スープラの「意のままに操れる」ハンドリングを実現しています。
エクステリアデザイン
スープラの外観は、トヨタが“造形の挑戦”と呼ぶデザイン哲学の集大成です。フロントは鋭く低いノーズとワイドフェンダーで力強さを演出。大型エアインテークが空力性能を高め、高速走行時の安定性を確保しています。
サイドラインは流麗かつ躍動的。短いホイールベースと長いボンネットが、FRスポーツの美しいバランスを生み出します。リアエンドにはダックテール形状のトランクリッドとツインエキゾーストを装備し、スポーツカーらしい迫力を放っています。
特別仕様「Final Edition」では、専用マットカラー、ブラックアルミホイール、カーボンパーツなどが採用され、存在感を一層際立たせています。
内装(インテリア)
運転席に座るとすぐにわかるのが、ドライバー中心に配置されたコクピット設計。メーターやスイッチ類が手の届く範囲にまとめられ、走りに集中できる空間が作られています。
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シート素材:アルカンターラ+本革コンビ -
ステアリング:GR専用スポーツステアリング(本革巻き)
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ディスプレイ:8.8インチタッチスクリーン(Apple CarPlay対応)
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サウンド:JBLプレミアムサウンドシステム(12スピーカー)
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スタートシステム:プッシュスタート&スマートキー
シートは適度なホールド性を持ちつつ、ロングドライブでも疲れにくい構造。上質な素材と精巧な縫製が、高級感を漂わせます。リアシートは持たず、完全2シーター仕様。荷室は容量こそ限られていますが、スポーツ走行を目的とした潔い設計です。
車両価格と中古相場
新車価格(日本国内)
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GR Supra SZ:5,900,000円〜
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GR Supra SZ-R:6,900,000円〜
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GR Supra RZ:7,300,000円〜
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GR Supra Final Edition(限定車):約15,000,000円前後(予想)
中古車相場
中古車市場では、走行距離や年式により価格差が大きいものの、以下が目安となります。
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一般グレード:7,000,000円〜10,000,000円前後
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MT仕様/限定カラー車:1,200万円以上
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初期型低走行車:新車価格を超えるプレミア価格も
特にFinal Edition登場後は中古市場が高騰する可能性が高く、投資目的での購入も注目されています。
年間維持費(日本国内試算)
スープラの年間維持費は、一般的な乗用車より高めですが、スポーツカーとしては妥当な水準です。
| 項目 | 概算費用 |
|---|---|
| 燃料代(年間10,000km走行) | 約150,000円 |
| 自動車税(3.0L) | 約51,000円 |
| 重量税+車検費用 | 約100,000円 |
| 任意保険料 | 約80,000〜100,000円 |
| タイヤ・オイル等のメンテ費用 | 約200,000円 |
| 駐車場代(都心部) | 約400,000円 |
| 合計 | 約1,000,000円〜1,200,000円/年 |
特に都市部では駐車場代が大きな割合を占めます。タイヤやブレーキパッドなどの消耗品交換も早めに必要になるため、維持には年間100万円前後を見込むのが現実的です。
今後のスープラの未来予想
コレクターズカーとしての価値上昇
生産終了の報が広まるにつれ、スープラは“再評価の波”を迎えています。MTモデルや限定車、走行距離が短い個体はすでに市場で高値を付け始めており、今後10年でさらに価値が上昇する可能性が高いです。
電動化の流れとトヨタの戦略
トヨタはGRブランドを維持しつつ、次世代スポーツカーにEVまたはハイブリッド技術を導入する計画を進めています。その中で、スープラの後継モデルが電動パワートレインを採用する可能性も囁かれています。ガソリンエンジンの咆哮を聞ける最後のモデルとして、現行スープラは特別な存在です。
モータースポーツとの関わり
GR SupraはSUPER GTなどのレースシーンでも活躍中。生産終了後もモータースポーツにおける象徴的モデルとして語り継がれるでしょう。トヨタのレース活動が継続する限り、スープラの魂は生き続けます。
まとめ
GR Supraは、トヨタの技術と情熱が詰まった“最後の純ガソリンスポーツカー”。伝統と革新を両立し、走りの愉しさを追求した一台です。
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走り:FR×直6ターボの黄金レイアウト
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デザイン:流麗で筋肉質なボディライン
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希少性:2026年で生産終了、今後はプレミア必至
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維持費:年間100万円前後を見込む
“最後のスープラ”を手に入れるかどうか――それは、クルマ好きとしての大きな決断です。迷っているなら、今がその瞬間。あなたのガレージに伝説を


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