はじめに
2025年、日産が長年にわたって展開してきた電気自動車ブランド「リーフ」が、ついにフルモデルチェンジを迎え、新たな世代へと生まれ変わります。新型リーフ(ZE2型)は、その象徴ともいえる 航続距離「702km」 を実現し、外観はクロスオーバー風に刷新、内装・装備・走りも大幅に進化。価格帯は従来モデルよりも上昇するものの、その分だけ差別化された先進性を備えています。
本記事では、新型リーフの外観・内装、ボディサイズ、パワートレイン、安全装備、燃費(航続距離)などスペック面、グレード別価格や発売時期、ライバルとの比較、維持費やリセール性、購入検討のポイントに至るまで、できる限り詳しく解説します。
外観(エクステリア)
新型リーフでは従来の5ドアハッチバック型から、クーペ風クロスオーバータイプへとボディスタイルを大胆に変化させています。元記事によれば、車体下部に大型バッテリーを搭載するスペースを確保しやすい構造としつつ、エアロ性能を高める意匠を取り入れ、先進性を強調しています。
以下、主な外観ポイントを整理します。
フロント/顔つき
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新世代モデルで共通して採用されつつある「デジタルVモーション」グリルデザインを前面に据え、近未来感を演出。

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Gグレードでは前照灯の左右を連結するLEDライティングを装備。
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フロント下部にはグリルシャッターインテークが設けられ、空力制御が意識されている様子。
サイド/車体フォルム
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クーペ風のルーフラインが流麗さを出しており、リア側へ下がるキャラクターラインでスポーティ感を強調。 -
フラッシュドアハンドル(走行時には格納されるタイプ)を採用。ドア表面をできる限り滑らかに保ち、風の巻き込みを抑制。

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アンダーフロアをフラット化し、空力性能を向上。
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ホイールは 18インチ/19インチを選択可能。空力配慮型デザインが取り入れられるとの記載。

リア/後部デザイン
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傾斜の強いリアウィンドウを備えたクーペ的なフォルム。 -
Gグレードには「Ⅱ三(ニッサン)」をモチーフとした専用テールランプパターンを採用。
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全体として、後端部を絞り込みつつも巻き込みを抑えるボディ設計になっているようです。
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空力を意識し、Cd値(空気抵抗係数)は 0.26 を実現したという情報も提示されています。
これらのデザイン戦略の狙いは、見た目の先進性・スタイル性を高めるとともに、航続距離性能や静粛性、風切り音対策も含めた空力最適化という両立を図ることにあります。
加えて、上位モデル「AUTECH」では専用のエクステリアアクセントが盛り込まれており、スポーティで個性を出す仕様となる見込みです。

総じて、従来リーフからのイメージチェンジを図りつつEVとしての技術的進化を視覚的にも訴求しようという意欲が強く感じられる外観デザインです。
内装(インテリア)
外観が未来的に進化した一方で、内装面でも質感・操作性・快適性の向上が図られています。以下は主な内装・装備上の特徴です。
インストルメント/ディスプレイ系
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従来モデルでは 7インチメーターディスプレイと 9インチインフォテインメントが組み合わされていましたが、新型リーフでは 12.3インチのデュアルディスプレイ を標準搭載。

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インフォテインメントシステムは Google を軸にした NissanConnect を採用し、Google マップ、Google アシスタント、Google Play と連動可能。

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「ドア to ドアナビ」機能により、出発前に充電残量などを踏まえたルートをスマホ→車両に連携させるなどの利便性が強化。
快適性・素材感
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AUTECHモデルでは次世代素材「テーラーフィット」のシートを採用し、触感や包まれ感の向上を狙い、インテリア全体をブラック基調+ブルーステッチで統一感を出す演出。

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シート、ステアリング、インストパッドなどにブランドらしさを加えるアクセント処理が施される予定。

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ルーフには「調光パノラミックガラスルーフ(遮熱機能付き)」が設定され、シェードレス設計、頭上空間拡大 (+20mm) や IR 反射コーティングによる日差し遮蔽効果も備えるとの情報。

オーディオ/サウンド
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ヘッドレストスピーカーを含む 10 スピーカー構成の Bose Personal Plus プレミアムオーディオ を採用。視覚/聴覚面での質感向上に配慮。
室内空間・荷室
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ラゲッジ容量は通常時で 420L が確保されるとの記載。 -
パワーテールゲートも採用され、実用性を高める配慮あり。
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小型化されたパワートレイン配置やクロスオーバー化された車体形状を活用して、従来モデル以上の室内空間を確保する設計意図も明言されています。
内装面では、操作性・接続性に関する進化、質感向上、快適性・静粛性確保、そして空間効率化という相反要素のバランスを重視した仕様になっているといえます。
ボディサイズの現行型(前世代)との比較
モデルチェンジに際して、外観の刷新だけでなく、車体寸法の見直しも行われています。以下に元記事の情報をもとに、主要な比較を行います。
| 項目 | 新型リーフ(推定) | 前世代リーフ | 差異・考察 |
|---|---|---|---|
| 全長 × 全幅 × 全高 | 4,360 × 1,810 × 1,550 mm | 4,480 × 1,790 × 1,560 mm | 全長は約120mm短縮、幅は20mm拡大、高さは10mm低下 |
| ホイールベース | 2,690 mm | 2,700 mm | 10mmの短縮 |
| 車重 | 約 1,880 kg | (明確記載なしだが従来モデル+バッテリー搭載を勘案すれば1,700〜1,900kg前後) | 新型は高容量バッテリー仕様で重めになる可能性 |
| タイヤサイズ | 215/55R18 または 235/45R19 | 前モデルも 18インチ/19インチ設定あり | 同等レンジ |
| 最小回転半径 | 5.3 m | 前モデル 5.4 m 程度と推定 | 若干改善(取り回し向上) |
| サスペンション形式 | フロント:情報未記載/リア:マルチリンク式(新設計) | リア:トーションビーム式 | 形式変更により操縦安定性・快適性向上を狙い |
| 車内静粛性 | 50 km/h 相当走行時で最大 2 dB 改善とされる記載あり | — | 静音性向上を意図した設計変更を伴う可能性 |
このように、新型は車体を若干コンパクト化しながらも室内空間を維持もしくは拡大する工夫がなされており、取り回し性・機動性を意識しつつも先代以上の快適性・性能を追求する姿勢が見えてきます。
また、リアサスペンションをトーションビーム式からマルチリンク式へと刷新することで、横剛性が 66%改善された、との記載も元記事にはあります。 これにより走行安定性・乗り心地の両立を狙った設計と解釈できます。
パワートレインとスペック
新型リーフで特に注目すべき改良点は、電動パワートレインの 「3-in-1」ユニット 採用と、その小型化・高効率化による性能向上でしょう。以下、スペック面を整理します。
3-in-1 パワートレイン構造
従来、電動車両ではインバータ、モーター、減速機(ギヤ)が別構成で搭載されるケースが多かったのですが、新型リーフではこれらを一体パッケージ化した「3-in-1」構成を初採用しています。
この技術の利点として、
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個別構成に比べてシステム全体の小型化・軽量化
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配置自由度の向上による空間効率の改善
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熱管理・冷却制御の最適化
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部品間の相互ロス削減
などが期待されます。
出力・トルク仕様
以下は新型リーフのグレード別モーター性能(元記事ベース):
| グレード | バッテリー容量 | 出力 | トルク | 駆動方式 |
|---|---|---|---|---|
| B5 | 55 kWh | 177 ps | 35.2 kg·m | FWD |
| B7 | 78 kWh | 218 ps | 36.2 kg·m | FWD |
この出力・トルク性能は、従来リーフの 40kWh モデル(150 ps / 32.6 kg·m など)や 60kWh モデル(218 ps / 34.7 kg·m)と比べて、トルクは改善されつつ、効率も意識された数値レンジ設定といえます。
駆動方式およびその他機能
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駆動方式は 前輪駆動 (FWD) が採用される見込み。 -
ドライブモードには、自分好みの加減速特性を設定できる PERSONAL モード が新設定。
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e-Pedal Step(ワンペダル走行感覚)や、回生ブレーキ量をパドルで調整できる回生コントロールパドル も装備され、EVらしいドライビングフィールを強化
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100V AC 給電機能(1500W 外部給電)を搭載。ドアロック時でも出力可能。災害時やアウトドア用途も視野に。
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従来モデルで好評だった V2H(Vehicle to Home) 機能も継続採用。電力供給制御による家庭用途への電力供給、停電時対応も可能。
これらの仕様によって、EVとしての基本性能を高めつつ、使い勝手・利便性・付加価値を強める方向が明確に打ち出されています。
安全装備について
自動運転支援技術、安全支援システムは、新型リーフでも強化が図られています。以下は元記事に記載されている主な安全装備・先進運転支援機能(ADAS)です。
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プロパイロット 2.0:高速道路などでのハンズオフドライブ(一定条件下でステアリング操作を自律化)対応。
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プロパイロット パーキング:駐車支援機能の拡張版。
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プロパイロット リモート パーキング:スマホ操作など遠隔での駐車操作支援。
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インテリジェント ルームミラー:後方視界状況を補助するミラー機能。
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ドライブレコーダー(前後セット):万一のトラブル時に映像記録を行う装備を標準的に採用。
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インテリジェント ディスタンス コントロール:先行車に合わせて加減速を制御し、車間維持や停止支援を行う機能。
これらは現代のEV/自動車市場における標準以上の水準といえ、特にプロパイロット 2.0 のようなハンズオフ対応の拡張は、長距離ドライブや渋滞時の負荷軽減において強みになる可能性があります。
ただし、これら機能の効き具合・制約条件(天候・路面状態・標識認識可否など)については、実車テストでの実証が待たれる部分も多いでしょう。
燃費(航続距離)と充電時間
EV における「燃費」に相当する指標は、航続距離と充電速度です。新型リーフでは、バッテリー容量の最適化と効率改善を通じて、大幅な性能向上がうたわれています。
航続距離(WLTP 相当推定)
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B5(55 kWh)グレード:490 km(公表値)
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B7(78 kWh)グレード:702 km(公表値)
従来リーフ(前モデル)の 40 kWh モデルでは約 322 km、60 kWh モデルでは約 450 km 程度という基準値が挙げられており、今回の大幅な性能向上ぶりが明確です。
充電時間・充電性能
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最大 150 kW 急速充電対応。
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B5 モデル(55 kWh):急速充電で約 30 分で 330 km 相当充電可能とする表現。
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B7 モデル(78 kWh):10% → 80% までを約 35 分で充電とする記載。
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バッテリーには 水冷式バッテリー温調システム を搭載し、寒冷地での性能劣化を抑制。
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ナビとの連携で「バッテリー昇温/冷却」を最適化する ナビリンクバッテリーコンディショニング 機能も設定。
これらから、理論上は中長距離走行用途にも耐えうる電動車性能が視野に入っており、「急速充電時間」「温度管理」が実用性の鍵を握る要素となるでしょう。
ただし、実際の走行条件(気温、登坂、冷暖房使用、充放電劣化など)では数値が落ちることが普通ですので、過度な期待よりも余裕を見たプランニングが必要です。
各グレードごとの販売価格は?
新型リーフのグレード別価格帯を以下に整理します。
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B7 X グレード:5,188,700 円
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B7 G グレード:5,999,400 円
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AUTECH(特別仕様):6,513,100 円
さらに、後日追加予定とされる B5(55 kWh) モデルも設定がアナウンスされており、こちらは価格を抑えたエントリーモデルとしての位置づけになる見込みです。
比較として、前世代のリーフ(従来モデル)における価格も以下のように紹介されていました:
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40 kWh モデル:X:4,081,000 円、G:4,448,400 円、NISMO 等もラインアップあり
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60 kWh モデル(e+):X:5,253,600 円、G:5,834,400 円、AUTECH:5,616,600 円
この比較から、新型リーフでは技術進化・装備充実に伴う価格上昇が明確ですが、B5 モデルの投入によって価格帯下部への対応も狙っていることが読み取れます。
販売予定時期は?
公開された情報をもとに、新型リーフのスケジュールを以下のようにまとめられます。
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ワールドプレミア:2025年6月17日
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日本国内発表:2025年10月8日
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日本発売開始日:2026年1月15日
なお、B5 グレード(55 kWh モデル)は発表段階では 2026年2月 頃の追加が予告されています。
つまり、日本国内ユーザーにとっては 2026 年早期から注文・納車の機会が始まることが予想されます。ただし、実際の納期・受注状況・人気度・地域による供給制限などは変動要因となるため、最新のディーラー発表を確認することが望ましいでしょう。
ライバル車との比較(優っている点)
新型リーフが狙うポジションを考えると、ライバルは主に中・上級クラスの EV や先進志向型電動クロスオーバー車が該当するでしょう。具体的には、テスラ モデル 3/Y、日産アリア、ホンダe、マツダ MX-30 EV、あるいは欧州ブランドの電気クロスオーバーなどが競合となります。
以下は、元記事情報と考察を踏まえて、新型リーフが競合に対して優っている(またはアドバンテージになりうる)点を列挙します。
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航続距離性能の飛躍的向上
– 新型リーフでは最大 702 km という長距離性能を掲げており、これが実際に近実用域で達成可能なら、長距離利用用途において強い訴求力を持つ。
– そのうえで、バッテリー温調制御やナビ連動型最適化機能も備えることで、充電ロスや温度による性能劣化を抑える設計を取っている点が強み。 -
利便性・付加価値機能の強化
– 100V 外部給電機能(1,500W)や V2H 対応など、電源としての活用性を拡張しており、「移動手段」だけでなく「電源プラットフォーム」としての役割を持たせようという設計意図。
– 調光パノラミックガラスルーフ、Bose オーディオ、デュアル大型ディスプレイ、快適性向上素材など、使い勝手・質感面にもこだわりを見せている。 -
先進運転支援システムの強化
– プロパイロット 2.0 を始めとするハンズオフ駆動支援機能、駐車支援機能、スマートミラー、ドライブレコーダー標準搭載など、安全性・利便性面での競合優位性を見込める。
– 競合車が似た支援機能を備えていても、日産ブランドの実績と信頼性を背後に持つ点はアドバンテージとなる可能性。 -
ブランド力と既存ユーザー基盤
– リーフは電動車として日本国内でも比較的知名度が高く、これまでの導入実績・顧客基盤がある。
– 既存リーフオーナーの乗り替え需要取り込み、アフターサービス網、補修部品供給体制などで安心感を与えられる点。 -
クロスオーバー化による実用性向上
– スタイルをクロスオーバー寄りに変えることで、視界・乗降性・積載性と走行性能の両立を目指しており、これが “次世代の普通使い EV 車” にふさわしいポジションを狙える。
ただし、優れている点を活かすには、実使用時データとの乖離を抑え、信頼性・耐久性確保、価格適正化、充電インフラの整備など外部要因も重大な影響を持ちます。
歴代モデルとの比較
リーフは初代(ZE0 型)から継続してきた電動車の代表パイオニア的存在であり、新型ではその系譜を踏まえつつも大きく進化を遂げる節目となります。以下に、歴代リーフと比較しながらの評価ポイントを整理します。
初代リーフ(ZE0 型)
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2010 年発売。バッテリー容量 24 kWh 程度で航続距離 200 km 程度という仕様。
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より早期の電動車参入モデルとして市場へインパクトを与えたが、実用面での航続距離制限やコスト高、技術成熟度というハードルを抱えていた。
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その後の改良型でバッテリー容量拡大や効率改善を行い、航続距離が拡大されていった。
2代目リーフ(ZE1 型)
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2017 年に登場。バッテリーは 40 kWh をベースに、拡張型 60 kWh モデル(e+)も追加。
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標準モデルでは前モデル比で性能向上し、実用性を強化。
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走行性能・装備面も進化し、日産の電動モデル戦略の主力車種として成長。
新型リーフ(ZE2 型)
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外観を大胆に刷新 → クロスオーバースタイルへの転換
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パワートレイン刷新(3-in-1)と高効率化、小型化
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航続距離大幅拡大(最大 702 km)
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安全装備・支援システム強化
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快適性・質感追求(大型ディスプレイ、調光ルーフ、プレミアムオーディオなど)
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利便性機能の拡充(100V 給電、V2H 継続など)
このように比較すると、初代・2代目の段階では「電動車として使える範囲をいかに拡げるか」が課題でしたが、新型では「電動車として使える範囲を超える価値を提供する」ことを目指しているように見えます。
また、新型は電動車としての技術成熟段階を象徴するモデルになり得るポテンシャルを秘めています。ただし、歴代モデルからの移行を検討するユーザーは、価格上昇および実用面(維持性・耐久性・補修性など)の変化を注視すべきでしょう。
年間維持費は?
EV の年間維持費を試算するためには、主に以下の費目を見積もる必要があります:
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電気代(走行電費 × 年間走行距離)
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保険料・自動車税などの法的費用
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メンテナンス・消耗品費用
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駐車場代・充電インフラ利用料など(地域差あり)
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減価償却・リセール影響を除いた所有コスト
以下はあくまで仮の前提を置いたモデルケース試算ですが、新型リーフクラス(B7 モデルなど)を想定して計算してみます。
仮定条件例
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年間走行距離:10,000 km
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電費(効率):15 kWh/100 km(実使用値見込みレンジ)
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電力単価:30 円/kWh(夜間・ほぼ平均的な電力単価を想定)
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自動車重量税・自賠責・任意保険など:年間で約 100,000 円(車種・等級により変動)
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メンテナンス・定期点検・タイヤ交換等:年 1 回点検・消耗品交換込みで 40,000〜80,000 円程度
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充電インフラ利用料(公共充電など):年 20,000〜50,000 円程度
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駐車場代別途考慮
電気代試算
10,000 km ÷ 100 km × 15 kWh = 1,500 kWh 使用
1,500 kWh × 30 円 = 45,000 円/年
総合維持費(試算例)
| 項目 | 年間費用見込み |
|---|---|
| 電気代 | 約 45,000 円 |
| 保険・税金類 | 約 100,000 円 |
| メンテナンス・消耗品 | 約 60,000 円(平均仮定) |
| 充電インフラ利用料 | 約 30,000 円 |
| その他(洗車・清掃等) | 約 10,000 円 |
| 合計(目安) | 約 245,000 円/年 |
このような前提で見積もれば、新型リーフの年間維持費はおおよそ 25 万円前後 を想定することができます。ただし以下の要因で大きく前後します:
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走行スタイル(高速道路多用/街乗り混合など)
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気温変動・暖房・冷房利用頻度
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充電環境(自宅充電が大半か公共充電多用か)
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保険料・車両等級・地域差
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タイヤ摩耗・故障リスク・補修部品コスト
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駐車場代など地域特有費用
従来の内燃機関車と比べると、燃料費(=電気代)は比較的低く抑えられる傾向がありますが、高価なバッテリーや電装部品の将来的な交換リスクをどう織り込むかが実質コストを左右します。
リセールバリュー(残価・下取り価格)
リセールバリュー(中古車市場での価値維持性)は、車を購入する際に重要視される要因の一つです。特に EV においては、バッテリーの劣化・保証期間・技術進化のスパンが影響を及ぼすため、ガソリン車以上に不確定要素が多い点に留意が必要です。
元記事には具体的なリセール予測までは言及されていませんが、以下の観点から新型リーフのリセール性を考察できます。
プラス要因
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ブランド力・電動車市場での認知度
リーフという車名自体が EV ブランドとして知名度が高いため、乗り換え需要および中古市場での関心獲得力がある可能性。 -
高仕様・差別化要素
大型ディスプレイ、調光ルーフ、100V 出力、V2H、先進ADASなど装備充実モデルは、中古車でも魅力的な要素となりやすい。 -
航続距離優位性
もし公表値近辺の 700 km クラスを維持できれば、長距離用途ユーザーの二次需要を取り込む可能性。 -
保証・バッテリー信頼性
バッテリー劣化保証制度の有無や期間(例:10年保証、容量保証など)が、買い手に安心感を与え、中古価値を支える要素となる。
リスク要因
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バッテリー劣化
EV はバッテリーの経年劣化が価値減少を牽引するリスク。劣化度合い次第で中古時点での価値低下が大きくなる可能性。 -
技術陳腐化
EV 技術の進歩速度が早いため、将来的により高性能・高効率な後継モデルが出ると、従来モデルの魅力が相対的に低下する可能性。 -
補修・整備インフラ
故障修理や電装部品の交換コスト・入手性が悪いと、中古購入者のリスク判断材料となり、中古価値に影響。 -
市場需給・政策変動
電動車支援政策や補助金の変動、インフラ整備状況、買取補助制度などが中古 EV 市場の需給構造を揺さぶる可能性がある。
総じて言えば、新型リーフが初期人気を得て、信頼性・耐久性実績を残せば、比較的高いリセールを保つ可能性はあります。ただし、購入時点で「10年後、20年後でも下取りできる」ようなリスク低減戦略(バッテリー保証期間、補修体制確認、初期モデルでの過剰支出は抑制など)が重要になるでしょう。
購入検討のポイント
新型リーフを実際に購入・検討する際には、以下の視点で比較・判断を行うことをおすすめします。
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実使用での航続距離と余裕率
公表値はあくまで理論値あるいは試験条件下の数字であることが多いため、実走行条件(気温、登坂、暖房冷房利用)での実効距離を意識し、余裕を持つ航続距離設計を。 -
充電インフラ環境の整備状況
自宅に急速充電器を導入できるか、近隣急速充電ネットワークはどうかを確認。公共充電頻度が多くなるとコスト・制約が増す。 -
バッテリー保証・耐久保証内容
購入後のバッテリー劣化保証期間や容量保証条件、交換コスト想定を事前に把握。これが中古価値にも直結。 -
オプション仕様の価値とコストバランス
調光ルーフ、プレミアムオーディオ、外部給電機能、ADAS 強化仕様などオプションの追加は魅力的だが、価格上昇に見合う価値かどうかを冷静に判断。 -
車格・スペックニーズとの整合性
走行スタイル(長距離中心か街乗り中心か)とグレード出力・トルク仕様の適合性を考慮する。たとえば B5/B7 の選択は用途に応じて。 -
将来的なリセールを見据えた選択
派手な装備や特殊仕様ばかりに走らず、汎用性・流通性も視野に入れた仕様選定。特に中古時点での売りやすさを考慮。 -
サポート・整備網の確認
日産ディーラー・電動車整備対応拠点の近隣有無、補修部品供給体制を事前確認しておく。 -
ライバル車比較検討
リーフ以外の選択肢(テスラ、アリア、他 EV 車種など)との比較も念頭に置き、コスト/性能/実用性/ブランド価値とのトレードオフ検討を忘れない。
これらの観点を踏まえつつ、自分のライフスタイル・利用用途・予算に合致する仕様を見極めることが、満足度の高い買い物につながるでしょう。
まとめ
新型リーフ(ZE2 型)は、日産 EV 戦略の転換点とも呼ぶべきモデルであり、従来モデルから大きく刷新された姿を見せています。外観はクロスオーバー風へ、内装は質感向上と操作性強化、パワートレインは 3-in-1 構造採用、クラスを超えた航続距離(最大 702 km)と充電性能、安全装備も先進水準へ、という流れを持っています。
価格は上昇傾向ですが、B5 モデルなど価格抑制型モデルの投入も予定されており、より幅広いユーザー層を狙う戦略と見受けられます。ライバル車との比較では、航続距離、付加価値機能、使い勝手・利便性面、安全支援機能などでアドバンテージを持ち得るポテンシャルがあります。
ただし、購入・所有を考える際には、実走行での性能劣化、バッテリー保証、充電環境、リセール性、整備網といったリスク要因も冷静に見据える必要があります。



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