はじめに
レクサスのフラッグシップセダン「LS」が、2025年9月25日付で一部改良を受けて“新型LS”として登場しました。従来モデルをブラッシュアップし、カラー展開強化、快適性向上、標準装備の拡充などが図られています。
本記事では、改良後の新型LSを、外観・内装・スペック・価格といった角度から詳しく掘り下げてご紹介します。購入を検討する方、比較対象を探している方には特に役立つ内容とするつもりです。
なお、本稿は出典の情報を基に構成していますが、正式な仕様や発売情報は最新の公式発表をご確認ください。
外観(エクステリア)
新型LSの外観面で最も目を引く改良ポイントは「カラー設定の拡大」と「スポーティ/質感演出の調整」です。
-
ボディカラーには、従来よりも鮮やかさ・透明感を追求した「ホワイトノーヴァガラスフレーク」および「ディープブルーマイカ」が、全グレードで選択可能になりました。より洗練された白さ、深い青の艶感を前面に出す狙いがうかがえます。
-
フロントマスクは、スピンドルグリルを中心とした造形が継承されつつ、グリルのメッシュカラーをダークメタリック化。より落ち着いた印象を演出しています。ヘッドライトは、小型の3眼LEDユニット+ L字型のクリアランスランプという構成。さらに「ブレードスキャン式AHS(アダプティブハイビームシステム)」を搭載し、ハイビーム配光を細かく制御できる仕組みを採用。対向車や歩行者への眩惑を抑えつつ、広範囲の照射を実現します。


-
リア周りでは、コンビネーションランプとメッキモール部にピアノブラック素材を挿入し、厚みを感じさせる造形と連続感を強化。ヘッドライトとリアランプの調和性を意識したデザインとなっています。

-
“F SPORT”仕様では、サブラジエーターグリルのガーニッシュをサイドに回り込ませ、ワイド感を強調。またキャリパーには新デザインを採用し、レッド塗装+シルバー文字ロゴというスポーティなアクセントを与えています。バンパー造形、キャラクターライン、メッキモールやコーナー部のライン処理など細部にわたる練り込みも引き続き追求。フロント・サイド・リアとのつながりを意識した統一感あるシルエットです。

総じて、新型LSのエクステリアは「上質さと威厳の保持、かつ現代的な締まり感」の両立を狙った改良といえます。改良前モデルの美点を活かしつつ、カラー選択肢と質感演出の幅を広げたのが特徴です。

内装(インテリア)
LSは常に内装にこだわってきたモデルであり、今回の改良でも質感向上と使い勝手改善が図られています。
-
2023年改良モデルにより、インストルメントクラスター部に12.3インチのデジタルメーターを採用。多彩な表示モードに対応し、運転情報・ナビ表示・安全支援表示などを統合的に見やすく提示します。

-
インフォテインメントシステムは、自然言語対話による操作機能、ワイヤレスApple CarPlay対応、ハイレゾオーディオ対応など先進的な機能を備えるものを採用。これにより、クルマと会話しながら操作するような体験を追求しています。
-
これにともなって、従来のタッチパッド操作インターフェース(リモートタッチ)やCD/DVDスロットは廃止。スイッチレイアウトを見直し、使用頻度の高いシートヒーター/シートベンチレーション/ステアリングヒーターなどはコンソール部に物理スイッチを配置。直感操作性を高めています。
-
USB Type-Cポートやスマホホルダーの増設など、実用性向上のための細かな配慮もなされています。改良車では、全席にシートヒーターを標準装備とし、前後席ともに快適性を底上げ。特に後席オーナー向けの快適性強化は、LSらしいラグジュアリー性を重視した調整といえます。

-
内装材には、高級感のある本革、木目パネル、金属調アクセント類などがバランスよく使われており、静粛性・振動制御性能も高められています。改良においてエンジンマウント内オリフィスの変更やダンパーチューニングの見直しがなされ、室内に伝わる振動をより低減する工夫もなされています。

-
サスペンションや遮音・吸音材の見直し、AVSソレノイドのチューニング変更なども併せて実施され、乗員空間の静粛性/乗り心地に対する配慮が感じられます。
こうした改良の積み重ねにより、新型LSのインテリアは、静かで快適、かつ操作性・先進性を兼ね備えたものへとブラッシュアップされています。
ボディサイズの現行型との比較
改良型となる新型LSのボディサイズ諸元は、以下の通りです。比較対象として、改良前(現行型)モデルのサイズも示します。
| 項目 | 新型LS(改良後) | 改良前/現行型(参考) |
|---|---|---|
| 全長 | 5,235 mm | 同等(改良前モデルの公表値も 5,235 mm 程度) |
| 全幅 | 1,900 mm | 同等(1,900 mm 前後) |
| 全高 | 1,450 mm | 同等(約 1,450 mm) |
| ホイールベース | 3,125 mm | 同等(3,125 mm) |
現行型から大きなサイズ変更は見られず、プラットフォーム(GA-Lプラットフォーム)や骨格構造、剛性設計は基本的に継承。むしろ改良による快適性・質感制御に注力した内容といえます。
ただし、新型ではボディ剛性やねじり剛性を高めつつ、室内空間の拡大・快適性向上を担保する設計見直しが行われている点は注目されます。特に足まわりやサスペンションマウント、支持部品の締結高精度化、ラジエーターサポートなどの改良が挙げられています。
要するに、外形数値上は大きな変更を伴いませんが、質感や乗り味に影響する内部構造面での改良の蓄積こそが、新型LSの肝といえるでしょう。
パワートレインとスペック
新型LSには、ガソリン仕様「LS500」とハイブリッド仕様「LS500h」が設定されています。駆動方式はFR(後輪駆動)または4WD(AWD)が選択可能です。
LS500(ガソリン仕様)
-
エンジン形式:V型6気筒、3.5L、ツインターボ仕様
-
最高出力:422 ps(5,200–6,000 rpm)
-
最大トルク:61.2 kgm(1,600–4,800 rpm)
-
トランスミッション:10速AT(10速オートマチック)
このガソリンモデルでは、加速レスポンス・エンジントルクの立ち上がりの改善、シフトスケジュールの最適化(各ギアでの加速領域拡大)、エンジン出力制御の制振工夫(Engine Sound Enhancement、Active Noise Control など)による静粛性向上が図られています。
LS500h(ハイブリッド仕様)
-
エンジン+モーター構成:V型6気筒 3.5L + 新設計軽量モーター × 2(マルチステージハイブリッド)
-
総合システム最高出力:359 ps
-
エンジン出力:299 ps / 6,600 rpm、36.3 kgm / 5,100 rpm
-
モーター出力:180 ps
-
トランスミッション:CVT(無段変速機能付
ハイブリッド仕様では、特に発進加速時や中速度域でのバッテリーアシスト量を増加させ、余裕のある加速性能を実現。併せて、発進加速時のエンジン最高回転数を低く抑えて騒音を低減する仕組みも取り入れられています。
駆動方式は前述のように FR/AWD が選べ、それぞれの走行特性に応じたセッティングがなされています。
加えて、乗り心地・安定性面では、AVS(可変ダンパー制御)のソレノイドチューニング最適化、ラバーやバネ支持部の剛性最適化、スタビライザー最適化、エンジンマウント構造の見直し、振動抑制構造の改良などが施されており、静粛性・乗り味制御に重点が置かれています。
これらの改良により、新型LSはガソリン/ハイブリッド双方で「走る歓び」と「静粛快適性」の高次元バランスを追求しています。
安全装備について
新型LSには、最新の安全運転支援システム「Lexus Safety System +」を採用しており、衝突回避支援や運転支援機能を数多く備えています。
主な安全・支援装備には次のようなものがあります
-
ミリ波レーダー+単眼カメラによる周囲検知能力。歩行者・車両を含む前方・横方向の障害物検知と警戒支援機能。
-
衝突回避支援機能。前方衝突の危険を察知した際には自動ブレーキや回避支援を行う設計。
-
渋滞時支援機能「アドバンストドライブ」搭載。渋滞時や低速域での運転を支援し、ドライバーの負荷軽減を図ります。
-
駐車支援機能「アドバンストパーク」。ガソリンモデルでは標準装備、ハイブリッドモデルではリモート操作対応とし、狭い場所での駐車動作を支援。
-
スマートキーマネジメント+遠隔操作。スマートキーを携帯したドライバーが専用アプリを使って、車外から駐車・出庫操作が可能。
-
その他、車線維持支援やレーンチェンジ支援、後退時警戒支援、ブラインドスポットモニターなど、近年求められる多数の先進安全機能に対応している可能性が高い(公式詳細発表待ち)。
これらのシステムにより、新型LSは安心・安全なドライブ環境を提供することを狙っています。特に高級車に求められる安心感を支える装備という点で、妥協のない仕様が期待できます。
燃費
燃費性能は、改良前モデル同様、大排気量車としては決して優秀とはいえないものの、改良によりある程度抑制が図られています。以下が公表値です
-
LS500(3.5L ガソリンモデル):10.1 km/L
-
LS500h(3.5L ハイブリッドモデル):13.6 km/L
ガソリン仕様では 10.1 km/L という値ですが、これはフルサイズ高級セダンとしては妥当なラインといえます。一方、ハイブリッド仕様は 13.6 km/L という数値で、日常使いを意識した効率性を確保しています。特に街乗り+高速巡航を組み合わせる用途で、ハイブリッド仕様の優位性が際立つでしょう。
ただし、これらはあくまで「定常モード燃費(JC08あるいは WLTC 等相当)」の公称値であり、実走行では条件(道路環境、走行速度、冷暖房使用、アクセル操作等)によって大きく上下します。とりわけ大排気量車・FR車・AWD車という特性を考慮すれば、実燃費ではこの数値を下回る可能性も十分に想定されます。
燃費性能を重視するなら、日常走行中心であること、アクセル操作の穏やかさ、巡航走行比率を高めること、エコ運転補助機能活用などがカギとなるでしょう。
各グレードごとの販売価格は?
改良後の新型LSは、ガソリン(LS500)・ハイブリッド(LS500h)の双方で複数グレードが設定されており、駆動方式(FR/AWD)も含めた価格体系が公表されています。
LS500(ガソリン)
| グレード名 | 駆動方式 | 価格(日本円) |
|---|---|---|
| I package | 2WD(FR) | 11,110,000円 |
| I package | AWD | 11,590,000円 |
| F SPORT | 2WD(FR) | 12,330,000円 |
| F SPORT | AWD | 12,810,000円 |
| version L | 2WD(FR) | 14,110,000円 |
| version L | AWD | 14,590,000円 |
| EXECUTIVE | 2WD(FR) | 15,790,000円 |
| EXECUTIVE | AWD | 16,270,000円 |
LS500h(ハイブリッド)
| グレード名 | 駆動方式 | 価格(日本円) |
|---|---|---|
| I package | 2WD(FR) | 12,570,000円 |
| I package | AWD | 13,050,000円 |
| F SPORT | 2WD(FR) | 13,790,000円 |
| F SPORT | AWD | 14,270,000円 |
| version L | 2WD(FR) | 15,570,000円 |
| version L | AWD | 16,050,000 |
| EXECUTIVE | 2WD(FR) | 17,250,000円 |
| EXECUTIVE | AWD | 17,730,000円 |
最廉価グレード(LS500 “I package” フロント駆動)でも 11,110,000円という設定はフラッグシップクラスとしての価格帯を強く印象付けます。ハイブリッド仕様への価格上乗せは一律で約 1,460,000円という幅が取られており、効率かつ静粛な動力性能を求めるユーザーへの選択余地を提供しています。
なお、上記価格は車両本体価格(消費税含む)であり、オプション、諸費用、税金・保険料等は含まれていません。最終支払額への影響を検討する際は、これらを別途見積もる必要があります。
販売予定時期は?
改良後の新型LSは、2025年9月25日 に日本国内での発売が発表されています。
改良モデルという位置付けですが、国内の発表・発売時期が明確に示されている点で、購買を検討するユーザーにとって安心できるタイミングといえます。なお、正式納車開始時期、各ディーラーへの導入日、受注状況などは、レクサス正規ディーラーや公式発表を追う必要があります。
ライバル車との比較(優っている点)
LSが属するセグメントには、欧州系高級車(メルセデス・ベンツ Sクラス、BMW 7シリーズ、アウディ A8 等)や他のラグジュアリーブランド車がライバルとなります。ここでは、改良型LSがこれらと比較して優れていると期待できる点を整理します。
-
日本市場への適合性・信頼性
トヨタ・レクサスブランドは日本国内での評価・信頼度が高く、整備網や部品供給力も充実しています。メンテナンス性・安心感において、輸入高級車に対するアドバンテージとなる可能性があります。 -
静粛性・乗り味制御
改良版LSでは、エンジンマウント、ダンパーチューニング、遮音・振動抑制構造などを再設計・最適化。これは、欧州車的な剛性感と日本車的な静粛性を融合させようという狙いです。他車も静粛性を追求しますが、国産ブランドゆえの細やかな制振チューニング力は強みとなるでしょう。 -
トータルコスト感覚
輸入車と比べると、部品代・整備コスト・保険料などで有利性を持つ可能性があります。特に長期維持を視野に入れたとき、トータルコストで他の高級セダンに差をつけられる可能性が高いです。 -
装備充実とコストパフォーマンス
今回の改良で、カラー選択肢やシートヒーター標準化、先進運転支援機能の充実などが図られており、標準装備レベルの底上げを行った点は、競合車との比較優位性になります。輸入車ではオプション扱いとなる装備が標準化されている点はアピールポイントです。 -
ブランドシナジーとステータス性
LSはレクサスの最上級セダンであり、ブランドのフラッグシップという性格を持ちます。これは単なる移動手段を超えたステータス価値をユーザーに提供する面があります。欧州車や輸入車も高級性を謳いますが、国産プレミアムブランドという位置付けが好意的に受け入れられる市場であれば、競合優位となるでしょう。
ただし、輸入高級車には走行性能・ドイツ系のハンドリング・ブランドプレミアム性といったアドバンテージもあります。例えば、メルセデス Sクラスは乗り心地と豪華装備の総合力、BMW 7シリーズはスポーティな走行性、アウディ A8 は技術力・先進デバイスでの訴求力などが強みです。LSがそこに対抗するには、静粛性・トータル信頼性・国内ネットワーク・コスト優位性を武器にする戦略が現実的でしょう。
歴代モデルとの比較
LSは、1989年に初代モデルが登場して以来、複数の世代を経て進化を続けてきたシリーズです。ここでは、歴代モデルとの比較を通じて、新型LSの位置づけを整理します。
-
初代(セルシオ時代含む)
LSの源流は1989年登場の初代レクサスLS、あるいはトヨタ・セルシオ時代に遡ります。その頃は、「静かで上質な乗り味」「豪華仕様」「信頼性」がキーワードでした。現在の新型LSにも通じる「ラグジュアリーと信頼性」の根底はこの時代から貫かれています。 -
中間世代(2代目~4代目)
世代を重ねるごとに、安全装備や電子制御技術、快適装備などが強化されていきました。静粛性の向上、ボディ剛性の強化、排出ガス規制対応、燃費改善、高度な走行支援などが段階的に導入されてきました。
これらの過程で、LSは単なる高級車から先進ラグジュアリーモデルへと変化してきたと言えます。 -
現行(第5世代、2017年登場)
現行型は 2017年登場で、GA-Lプラットフォームを採用。軽量化と高剛性、重心低化を両立させた設計がなされました。また、後年の改良で、12.3インチデジタルメーター、アドバンストパーク、プロアクティブ・ドライビングアシスト、Advanced Drive などの最新支援機能を搭載してきました。
今回の改良モデルは、この現行世代をベースにブラッシュアップを加えたものと位置づけられます。
比較すると、新型LSは「根幹のプラットフォームと設計思想を維持しつつ、先進性・質感・標準装備強化を加えた深化モデル」と言えるでしょう。歴代の“豪華さ+静粛性”の系譜を継承しつつ、それを現代の技術・ユーザーニーズに合わせてアップデートしたものが本改良版です。
年間維持費
高級車、とりわけ大型セダンとしては、維持費が購入後の重要な検討要素になります。以下に、主な維持費項目と目安を整理します。ただし、実際の金額は地域・使用条件・オプション装備・走行距離などによって大幅に変動しますので、あくまで参考としてください。
主な維持費項目
-
自動車税・重量税
大排気量車・高級車ゆえ、毎年の自動車税や車検時の重量税は高め。3.5Lクラスのエンジン搭載車であれば、それに応じた税率が適用されます。 -
自賠責保険・任意保険
高級車であることから保険料も高めに設定される傾向があります。特に車両保険・対人・対物の補償額を高めに設定するとコストがかさみます。 -
車検・整備費
高性能車・高級仕様という性格上、定期点検部品交換(ブレーキパッド・ディスク、タイヤ、オイル・フィルター類、冷却水、各種センサー類など)が割高になる可能性があります。輸入車に比べると部品供給面での安心感はありますが、部品そのものが高額なケースも想定されます。 -
燃料費
前述燃費をもとに年間走行距離から燃料コストを算出。たとえば年間 10,000 km を走行、ガソリン単価を 200円/L(仮定)とした場合、ガソリン仕様であれば消費量 10,000 ÷ 10.1 ≒ 990 L、コスト ≒ 198,000 円。ハイブリッド仕様では 10,000 ÷ 13.6 ≒ 735 L、コスト ≒ 147,000 円という試算になります。もちろん実燃費や価格変動で前後します。 -
タイヤ・ブレーキ関連消耗品
高性能・大径ホイール設定であることから、タイヤ代は高コスト。ブレーキパッド・ディスクも高性能仕様であり、交換周期や価格ともに大手乗用車より割高になることが予想されます。 -
その他消耗品・部品交換
ワイパー、バッテリー、電装品、内外装クリーニング・メンテナンスなど。ラグジュアリー車ゆえに装備が複雑・高性能なため、交換・整備コストも高めです。 -
減価償却・保管コスト
駐車場代、洗車・コーティング費用、車体保護費用(カバー、ガラスコーティング等)も無視できません。
維持費目安(仮想モデルケース)
仮に年走行距離 10,000 km、ガソリン単価 200円/L、保険・税金・整備関連合計を想定したモデルケース(概算)を示すと、
| 項目 | ガソリン仕様(LS500) | ハイブリッド仕様(LS500h) |
|---|---|---|
| 燃料費(年間) | 約 198,000 円 | 約 147,000 円 |
| 自動車税・重量税等 | 数十万円規模(年一回) | 同様傾向 |
| 保険料 | 高額帯(車両保険含む) | 同様 |
| 定期点検・消耗品交換 | 高め | 高め |
| タイヤ・ブレーキ交換費 | 高額 | 高額 |
合算すると、年間維持費(燃料以外)で数十万円~100万円超レベルに達する可能性があり、燃料費含めると「相当なランニングコスト」がかかる車である点は覚悟が必要です。
このように、購入時の価格だけでなく、維持費を含めたトータルでの費用感をしっかり見据えることが、LSの購入検討において極めて重要です。
リセールバリュー(再販価値)
高級車、特に大型セダンは、リセールバリュー(再販価格・価値維持率)が購入後の資産性に関わる重要な要素です。LSの場合、以下の要素がリセール性に影響を与えうるポイントです。
-
ブランド力と信頼性
レクサス/トヨタという国内ブランド力、品質・信頼性の高さは中古車市場での評価を支えます。特に国内中古市場では「レクサス車=安心」という認識が買い手に働く可能性があります。 -
保守性・部品供給性
前述のとおり、整備網・部品流通体制が充実していれば、中古車流通時の維持管理コスト見通しが立ちやすく、これが再販価値にプラスに働くでしょう。 -
仕様・装備内容
標準装備の充実度、人気オプションの有無(ボディカラー、内装仕様、先進安全装備、ナビ・オーディオ仕様など)は中古市場でのマッチング度を左右します。改良後のLSは標準化が進んでいるため、この面で中古市場での魅力を保持しやすい可能性があります。 -
需要と流通数
高級車で台数自体が少ないモデルの場合、流通台数が限られるため、良好な状態で流通すれば高値を維持しやすいという面もあります。ただし、モデルチェンジ・改良後時間経過による旧モデル化リスクも念頭に置く必要があります。 -
走行距離・状態
高級車ゆえに、走行距離・内外装状態が査定に与える影響は大きいです。丁寧な使用・定期整備履歴保持がリセールバリューを支えるカギとなります。
総じて、新型LSは改良による装備標準化・質感向上などがリセール性を有利にする要素となり得ますが、高級車ジャンルゆえの減価率、維持コストインパクト、流通市場ニーズ変化といったリスクも無視できません。
購入検討のポイント
LS購入を検討する際には、以下のポイントを押さえて判断材料とすることをおすすめします。
-
ガソリン仕様かハイブリッド仕様かの選択
性能・加速応答性を重視するならガソリン仕様、燃費や静粛性を重視するならハイブリッド仕様が向いています。改良後のハイブリッドでは加速アシスト強化が図られており、日常域での利用中心なら十分な選択肢になり得ます。 -
駆動方式(FR vs AWD)
FRのすっきりしたドライブフィールを好むか、全天候性能・安定性重視でAWDを選ぶか。雪道や豪雨道などを走る可能性がある地域では AWD は安心感をもたらす選択になるでしょう。 -
グレード構成と価格バランス
最廉価グレードと上級グレードでは設備差が大きいため、装備要件と予算バランスをよく検討すること。特に、安全支援装備、快適装備、内装仕様、ホイール・タイヤ仕様などの選び方で費用対効果を意識した選択をしたいところです。 -
カラー・内装仕様選定
人気色・特別色を選ぶことでリセール時の価値維持に影響が出る可能性あり。改良後は選択肢が広がっているため、自分好みと中古市場価値のバランスを考慮して選ぶのが賢明です。 -
維持コストの見通し
燃料費、保険料、整備費、消耗品交換費用などを見据えた上で、長期保有も視野に入れた予算計画を立てましょう。特に高性能車・大排気量車ゆえのコスト高を許容できるかどうかが分岐点になります。 -
試乗・実車確認
静粛性・乗り味・加速感・使い勝手(スイッチ操作性、視界、室内動線など)は数値だけで捉えるには限界があります。実車試乗で体感評価を重視すべきです。 -
将来性・技術展望
電動化トレンドが進む中で、将来的なハイブリッド・電動化モデルの導入可能性を見据えておくべきでしょう。LSシリーズも将来的に電動化・ハイブリッド深化の影響を受ける可能性があります。 -
中古市場状況のリサーチ
販売後一定年数経過した際の中古相場予想を把握しておくこと。購入直後に価格が大きく下がる“新車プレミアム分”をどこまで許容できるかは、購入判断に影響します。
これらを踏まえて、性能・装備・コスト・将来性のバランスを自分なりに整理したうえで、最適なグレード・仕様を選択するのが賢明です。
まとめ
2025年改良版レクサスLSは、現行型の骨幹を維持しながら、カラー展開拡充・快適性強化・装備標準化・静粛性向上などの改良を施した深化モデルです。高級セダンとしての威厳と質感を保ちつつ、より現代利用者ニーズに応える進化がなされていると言えます。
特に、外観・内装の質感向上、安全装備の充実、パワートレイン性能と静粛性のバランス、そして信頼性/ブランド力という点が、LSの強みとなるでしょう。しかしながら、購入者側としては高価格・高維持費・将来的な価値変動リスクという側面も無視できません。
最終的な購入判断は、使用目的・走行環境・維持可能な予算・ライフスタイルに照らして慎重に行うべきですが、この改良版LSは、ラグジュアリーセダンの中でも“現実的に検討し得る選択肢”として十分魅力的なモデルであることは間違いありません。



コメント