はじめに
2025年9月、トヨタはミドルクラスミニバン「ノア」の90系(4代目)に初めてのマイナーチェンジ(一部改良)を実施しました。大きな外観変更はないものの、装備の充実や内装刷新、安全性能の強化を通じて、さらなる「ファミリーの安心と快適」を追求しています。本記事では、今回の改良内容を細部まで紹介し、ノアがなぜ今なお選ばれるのか、その理由に迫ります。 
1. 発売時期と背景
今回のマイナーチェンジモデルは、2025年9月初旬に発表、発売されました。当初は2024年中の実施が予想されていましたが、認証関連の都合などから延期されていたとも言われています。結果的に、フルモデルチェンジから約3年半での改良となりました。
2. グレード構成とモデル展開の整理
今回の改良でグレード体系が整理されました。
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標準仕様は「X」のみを継続し、「Z」「G」は廃止。

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エアロ仕様は「S-G」「S-Z」の2グレード展開に。

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人気を集めていた特別仕様車「W×B(ダブルバイビー)」は今回は設定されませんでした。
シンプルなグレード構成とすることで、選びやすさと装備の充実が図られています。
3. 外装デザインの変化(エクステリア)
エクステリアはキープコンセプトながらも質感が向上しました。
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フロントグリル:より大型化され、メッキ加飾が追加され存在感アップ。
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ヘッドランプ:シャープな意匠に変更され、精悍さが強調。
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リアコンビランプ:水平基調を強め、ワイド感を演出。
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リアバンパー:スポーティな印象を与えるデザインへ刷新。
ボディカラーの見直し:
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「スパークリングブラックパールクリスタルシャイン」、「スティールブロンドメタリック」「レッドマイカ」を廃止
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新色「プラチナホワイトパールマイカ」が追加されたほか、「メタルストリームメタリック」「アティチュードブラックマイカ」「グリッターブラックガラスフレーク」が継続展開
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4. 内装の進化(インテリア)
内装ではドライバーや乗員の快適性を高める改良が加えられました。
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インパネ:水平基調のデザインへ刷新し、室内の広がり感を強調。

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メーター:12.3インチのフル液晶メーターを採用し、視認性と先進感が大幅向上。
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シート:座り心地やホールド性を改善。上級仕様ではセカンドシートにオットマン&シートヒーター付きキャプテンシートを設定。

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収納性:ラゲッジスペースに大容量の床下収納を確保し、ファミリー用途での実用性をさらに強化。
5. 装備の強化と標準化
今回の改良では、安全装備や快適装備の標準化が大きなポイントです。
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S-Zグレードには、10.5インチディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)、ETC2.0、ブラインドスポットモニター、安心降車アシスト、後方接近車両対応パーキングサポートブレーキなどを標準装備。
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Xグレード(ガソリン車)にも、助手席側パワースライドドアやスマートキーを標準化。
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S-Gグレードでは、バックガイドモニターが標準装備に追加。
これにより、どのグレードを選んでも必要十分な安全・快適機能が揃っています。
6. パワートレインと燃費性能

パワートレインは従来を継続しつつ、性能の底上げが行われました。
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ガソリン車:2.0L直列4気筒エンジン。
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ハイブリッド車:1.8Lハイブリッドシステムを搭載し、モーター出力とバッテリー容量を強化。
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駆動方式:FFとE-Four(4WD)を設定。4WDモデルはリアモーター出力が上がり、雪道や悪路での走破性が向上。
燃費性能は以下の通り。
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ガソリン車:WLTCモード 約15.0km/L
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ハイブリッド(FF):WLTCモード 約23.6km/L
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ハイブリッド(E-Four):WLTCモード 約22.0km/L

7. 価格詳細

価格は全体的に10〜20万円程度の値上げが行われていますが、その分装備や性能の充実が反映されています。
ガソリン車(2.0L)
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X(2WD):約2,830,300円〜
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X(4WD):約3,028,300円〜
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S-G(2WD):約3,195,500円〜
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S-G(4WD):約3,393,500円〜
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S-Z(2WD):約3,579,400円〜
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S-Z(4WD):約3,777,400円〜
ハイブリッド車(1.8L)
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X(2WD):約3,182,300円〜
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X(E-Four):約3,402,300円〜
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S-G(2WD):約3,545,300円〜
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S-G(E-Four):約3,765,300円〜
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S-Z(2WD):約3,929,200円〜
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S-Z(E-Four):約4,149,200円〜
最廉価グレードはガソリン「X」で約283万円台から、最上位はハイブリッド「S-Z」のE-Fourで約415万円台となり、幅広いニーズに対応しています。
8. 受注状況と納期
改良直後から予約が集中しており、一部では納期が半年以上先になる可能性もあります。特にハイブリッドや上級グレードは人気が高く、注文時期によっては来年春以降の納車となるケースも想定されています。
9. まとめ:マイナーチェンジで何が変わった?
| 分野 | 改良点概要 |
|---|---|
| デザイン | エクステリアは洗練化、インテリア質感向上 |
| 機能/装備 | 多機能を標準化、安全性・利便性が大幅アップ |
| パワートレイン | ハイブリッド性能強化、燃費効率も改善 |
| カラー展開 | 新色追加、人気色一部廃止 |
| 価格と受注 | 値上げ(10~20万円)、納期長期化の可能性あり |
装備の充実はもとより、安全性能や快適性も向上し、様々なライフスタイルに対応できる進化を遂げた今回のノア。特にファミリー層にとって、その実用性や安心感は大きな魅力となるでしょう


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