はじめに
シトロエンは2023年10月17日、コンパクトハッチバックの主力モデル C3 のフルモデルチェンジを発表しました。新型C3では、これまでの方向性をリファインしつつ、EV仕様(e-C3)の設定、48Vマイルドハイブリッド搭載モデルなど電動化への対応も目立ちます。
従来型と比べてデザイン刷新、安全装備の強化、インテリアの質感向上など、欧州市場を皮切りに各国での導入が注目されています。この記事では、現行情報をもとに、「外観/内装」「ボディサイズ」「パワートレイン・スペック」「安全装備」「燃費」「価格/グレード別」「発売時期」「ライバル車比較」「歴代モデル比較」「年間維持費予測」「リセールバリュー」「購入検討のポイント」などを詳しく解説します。
なお、本記事は主に欧州・海外向け発表情報をもとにしており、日本導入時には仕様・装備・価格が異なる可能性があります。
外観(エクステリア)
新型C3の外観は、従来型の「かわいらしさ」から脱却し、よりモダンでタフな印象を強めたデザインへとシフトしています。主な特徴を以下に整理します。
フロントフェイス
-
ヘッドライトは C 字型を意識した LEDデイタイムランニングライトと組み合わせた鋭い意匠。近年のシトロエンが追求する顔つきを踏襲しています。

-
ブランドエンブレムは楕円形の新デザインを採用。フロントグリルと一体感を持たせたレイアウトで、水平性・ワイド感を演出。

-
全体的に水平基調が強まり、目線を広げる演出がなされています。
サイドプロファイルとボディライン
-
新型C3は前後オーバーハングを抑えつつクロスオーバー風のシルエットを強調。ボクシー(直線強め)と曲面の融合を図ります。 -
前型よりも高さを増し、最低地上高も上げることで、ハッチバック+SUV風のクロスオーバーテイストを併せ持たせた印象です。
-
ホイールアーチやドア下部の造形に、より厚みと陰影をもたせ、張りのあるボディ表現。
リアデザイン
-
リアコンビネーションランプもモダンな形状。LED光源の採用で視認性を改善しつつ、外形をシャープに統一。 -
バンパーまわりは、アンダーガード風意匠やコントラスト素材(ブラック樹脂など)を採用し、走破性の雰囲気を演出。
-
リアガラス下側にはシンプルなラインを入れ、スタイル性を重視した構成へ。
色・アクセント
-
新型C3では、ボディカラーの選択肢やアクセントカラーのコントラストルーフなど、個性表現の自由度を高める構成が期待されます。
-
ブラック、グレー、ホワイトといった定番系に加え、明るめアクセント色を組み合わせ可能な仕様が出てくるでしょう。
全体として、新型C3の外観は従来型とは異なる「力強さ」「存在感」「モダンさ」を前面に出したものとなっています。
内装(インテリア)
外観刷新と同様に、内装も大幅に質感・機能性を高めた設計が目立っています。乗る人にとっての快適性や操作性にも意識を払った構成です。
コックピット・メーター周り
-
薄型メーターディスプレイが採用され、視認性と先進性を両立。必要最小限の情報をスマートに表示する設計です。 -
10.25インチのタッチスクリーンがセンターに配置され、車両設定、ナビ、インフォテインメント系操作を集約する想定です。
-
ステアリングはダブルスポークデザインで、フラットボトム形状を採用。手に触れる点にも質感と機能性を意識した造形。
ダッシュボード・インテリア素材
-
ダッシュボード中央部は滑らかな曲線で構成され、視線を遮らないデザイン思想。 -
ソフトパッドや質感の高い樹脂素材を随所に配置し、触感にも配慮。
-
ドアトリム・アームレスト部も革調素材やソフト素材を積極使用し、広い内装印象をもたらすよう配慮。
シート・乗降性
-
新型C3では、フォームを見直した「アドバンストコンフォートシート」を採用。従来比で座り心地向上を狙っています。 -
着座位置を前型より上げる設計とし、視認性や乗降性を改善。これは街乗りでも扱いやすさを重視した配慮です。
-
リアシートについては、スペース効率・快適性を両立する設計。3人掛け想定ですが、後席頭上・膝前方空間にも余裕を持たせています(後述のボディサイズを参考)。
ラゲッジ・荷室
-
荷室容量は前型より 10L 拡大し 310L を確保。これにより日常使いでの実用性を向上。 -
床下収納、フック類、トリム裏ポケットなど実用的な荷室アクセサリも充実させる見込み。
-
後席を倒すとさらに広いスペースが得られる設計とし、フラット化も配慮されるでしょう。
総合評価・印象
内装全体を通じて、「シンプルでモダン」「質感向上」「使いやすさ」を意識した設計が目立ちます。派手な演出を避けながらも、ドライバー・乗員が感じる実用性・快適性を地道に高めてきた印象です。
ボディサイズの現行型との比較
まず、新型C3の公表ボディサイズと、前モデル(従来型C3)との比較を示します。
| 項目 | 新型 C3 | 前型 C3(従来型) | 変化 / コメント |
|---|---|---|---|
| 全長 | 4,015 mm | 3,995 mm | +20 mm 増加。外観上の拡張は控えめ |
| 全幅 | 1,755 mm | 1,750 mm | +5 mm わずかに拡大 |
| 全高 | 1,590 mm | 1,495 mm | +80 mm 大きく背を高く設計 |
| 最低地上高 | 163 mm | — | SUV風装い、悪路対応性向上を意図 |
| 荷室容量 | 310 L | (前型)約300 L 程度 | +10 L 拡大 |
解説と考察
-
全長・全幅の拡大抑制
全長や全幅の拡大は最小限に抑えられ、取り回し性を確保。特に都市部での運転や駐車場の制約を意識した設計。 -
全高と最低地上高の大幅向上
80 mmもの全高上昇は目立つ変化。これにより乗降性や室内頭上空間のゆとりが改善され、また最低地上高も 163 mm とすることで、段差や多少荒れた道路への対応力を持たせています。
この変更によって、従来比で視覚的な「厚み」感・安定感が強まり、クロスオーバー風味が増します。 -
荷室拡大
荷室容量を 10 L 拡大(310 L)することで、日常用途での実用性を改善しています。後席を倒すとさらに広い空間になりますが、その効率設計も注目点です。
このように、新型C3は「コンパクト感を保ちつつ、よりゆとりある室内・走行性能を両立する設計」の方向性を明確に出してきています。
パワートレインとスペック
新型C3は、電動モデルと内燃機関モデルの双方を揃えたハイブリッド展開となっています。以下、現時点で公表されている仕様を紹介します。
| モデル | 駆動方式 | 出力・仕様 | 備考 |
|---|---|---|---|
| e-C3(EV) | FWD | モーター出力 113 ps | バッテリー容量 44 kWh、航続距離 320 km、急速充電(20~80%)に約 26 分 |
| 1.2L ガソリン ターボ(内燃) | FF | 102 ps | 6 速マニュアル設定あり |
| 1.2L ガソリン ターボ + 48V マイルドハイブリッド | FF | エンジン出力 102 ps + モーター 28 ps相当 | 6 速 DCT 化、電動アシストで低速域のトルク補助を実現 |
EVモデル:e-C3
-
モーター単体出力は 113 ps(おおよそ同等のトルク性能も意識)とされ、コンパクト車体を活かして力強く走る性能を狙っています。
-
バッテリー容量は 44 kWh と、同クラスEVとして比較的コンパクト寄り。ただし車両軽量化や効率化設計により、航続距離は公称 320 km と発表。
-
充電性能では、20% → 80%充電に要する時間を 26 分とする仕様。急速充電器活用時の実利用性を意識した設計です。
-
足回りには「アドバンストコンフォートサスペンション(ダブルプログレッシブ油圧ストップ)」を標準装備予定。これはシトロエンが伝統的に追求してきた“フライングカーペット感覚を継承する乗り味を意図した制御方式です。
ガソリン/マイルドハイブリッドモデル
-
内燃機関モデルは、1.2L 直列3気筒ガソリンターボ「PureTech」系がベースです。出力は 102 ps。
-
6速マニュアルトランスミッションが用意されるほか、48Vマイルドハイブリッド付モデルでは 6速 DCT が組み合わされます。
-
48Vモーター相当の補助(28 ps 相当)を用いることで、発進加速・低速トルク補助・アイドルストップ再始動時などでの燃費改善が期待されます。
-
駆動方式はいずれも前輪駆動(FF)で、コンパクト車らしい操舵・回頭性に配慮した作りになるでしょう。
性能展望と設計思想
-
EVモデルと内燃機関モデルを併載することで、販売市場別・需要別対応力を持たせようという戦略と見られます。
-
EVでは、バッテリー容量と航続性能のバランスを重視した設計。44 kWh という容量は、ライバル小型EVと比較して過度な大容量化を抑え、コストや重量面を制御した選択と思われます。
-
内燃機関モデルでは、48Vマイルドハイブリッドの追加により燃費・モーターアシスト性能を底上げしつつ、ガソリンモデルも残すことでユーザー選択肢を広げる設計。
-
足回りのサスペンションには、快適性を重視した「アドバンスト コンフォート」系構造を採用することで、乗り味へのこだわりを強めています。
安全装備について
近年の自動車トレンドに鑑みて、安全装備は新型C3でも強化されています。発表済みの主要機能を以下に整理します。
標準 / 上位先進運転支援システム(ADAS)
-
アクティブセーフティーブレーキ
前方障害物・歩行者・自転車などを検出し、自動ブレーキ介入が可能な機能。 -
レーンデパーチャーウォーニング(車線逸脱警報)
車線を逸脱しそうな場合、ドライバーに警告を行う機能。 -
ブラインドスポットモニター(後側方死角警戒)
隣接車線の車両を検知して警告を発する、追従運転支援の補助的機能。 -
そのほか、前方衝突警報、歩行者・自転車検知機能など、最近のADセーフティ水準に見合う機能群を搭載とされています。
これらの安全装備・設計の強化により、新型C3はコンパクトカーの枠を超えて、安心性・予防安全性能の高いモデルとしての訴求力を持つことが期待されます。
燃費(および電費)
新型C3は EV モデルとガソリン / マイルドハイブリッドモデルを併設するため、燃費性能や電費性能は重要な評価ポイントとなります。現時点では公表データは限定的ですが、想定範囲を以下に整理します。
EVモデル(e-C3)
-
航続距離:公称320 km(44 kWh バッテリー搭載)従って、電費(効率)はおおむね 7.27 km/kWh 程度 (320 km ÷ 44 kWh)
-
ただし、実用領域では走行条件・気温・アクセル操作などで実効電費はこれを下回る可能性あり(都市走行・高速走行で上下動)
-
充電性能も重要であり、20 → 80% 充電に 26 分という仕様は実用的競争力を持つと見られます。高速充電器への対応力も重要指標となるでしょう。
ガソリン / 48V マイルドハイブリッドモデル
-
公表燃費は現時点で未発表ですが、1.2L ターボ+マイルドハイブリッド併用で、従来同クラス比で 10〜15% 程度の燃費改善が期待される構成です。
-
街乗り・郊外混合走行で、リッターあたり 16~20 km/L 程度というレンジが目安になる可能性があります(条件によって変動)。
-
マニュアル仕様(非ハイブリッド)車では燃費性能は若干落ちる可能性があるため、都市利用重視ならハイブリッド仕様が有利との見方もできます。
実用面での注意点
-
EVであっても充電インフラ、急速充電利用可否、充電時間・頻度が実使用性に大きく影響します。
-
ガソリン/ハイブリッド仕様では、実際のアクセル操作、街乗り頻度、アイドリング停止挙動、冷暖房使用などが実燃費を左右します。
-
日本導入時には、日本の道路事情・法規制・燃費基準に合わせた仕様変更があり得ます。
各グレードごとの販売価格は?
現時点で公表されているのは、主に欧州市場での価格です。日本導入時には為替・仕様変更・税制差異などが反映されますので、以下はあくまで参考です。
- CITROËN C3 MAX HYBRID(1.2L MHEV):3,640,000円
- CITROËN C3 PLUS HYBRID(1.2L MHEV):3,390,000円
- これらは基準グレード価格と想定され、上位グレード・オプション装備、税金・輸送費込み価格ではさらに上昇する可能性があります。
たとえば内燃機関モデルの最上級グレードやフルオプション仕様では、日本国内では 300 万円台後半〜 400 万円前後になる、という観測もあります。
日本導入時には、さらにグレード分け(標準/上級/スポーティ仕様など)や装備内容の違い(ナビ・安全装備パッケージ・内装仕様など)による価格レンジ設定があると思われます。
販売予定時期は?
フルモデルチェンジしたシトロエン新型C3は、2023年10月17日にワールドプレミアで発表され、日本では2025年10月5日に発表、2025年11月に発売される予定です。
ライバル車との比較(優っている点)
新型C3が属するコンパクトハッチ/小型EV市場におけるライバルを想定し、比較上有利と思われる点を整理します。
主なライバル候補
-
トヨタ ヤリス/GRヤリス
-
ホンダ フィット
-
フォルクスワーゲン ポロ
-
プジョー 208(ICE/EV)
-
フィアット 500e
-
マツダ2/マツダ 新型コンパクト車
-
各国小型 EV(マルチブランド)
新型C3 の強み(優れている点)
-
電動化バリエーションの豊富さ
EV(e-C3)、マイルドハイブリッド、通常ガソリン仕様の併用展開という、ユーザーの選択肢を広げた点。
ライバル車の中には EV 専有モデルやガソリン専用モデルしかないものもあり、両方を取り揃える強みがあります。 -
快適性・質感重視の足回り設計
シトロエン伝統の乗り味「フライングカーペット」を継承するアドバンストコンフォートサスペンション構成。これは、競合の硬めスポーティ志向モデルとの差別化要素となり得ます。 -
デザインの個性強化
かわいさ偏重ではなく、力強さとモダン感を両立した外観。差別化志向の強いユーザーにとって魅力的な選択肢になるでしょう。 -
荷室拡張と室内空間のゆとり
前モデルより荷室容量を 10 L 拡大し、室内頭上・乗降性を改善。日常使いの実用性を重視する層にアピール可能。 -
先進安全装備の標準化傾向
アクティブセーフティーブレーキ、レーン逸脱警報、ブラインドスポットモニターなど多彩な安全装備を標準設定または基本装備レベルで搭載予定。競合と比べても安全面での訴求力を持てる可能性。 -
コスト・効率の最適化
EVモデルでバッテリー容量を過度に拡大せず効率重視、内燃機関モデルではマイルドハイブリッド併用とするなど、コスト効率と性能バランスを追求した設計思想は、中価格帯での競争力を持たせやすい構成です。
とはいえ、ライバルにも強みは多く、例えばトヨタやホンダには販売網・アフターサービス体制・ブランド信頼性といった点で優れた点があります。そのため、C3 が競争力を発揮するには「上記強み+国内適合性・コストパフォーマンス」が鍵になります。
歴代モデルとの比較
C3 はこれまで複数世代を重ねてきています。ここでは新型と従来モデルとの比較を中心に、進化点と変化点を振り返ります。
従来型 C3 の特徴
-
従来型 C3 は丸みを帯びたデザイン、かわいらしさを重視した装いが特徴。 -
主にガソリンエンジンやディーゼル(国・市場による)モデル構成。
-
快適性よりも実用性・扱いやすさを重視。
-
安全装備・利便装備面では近年のモデル改良で進化を重ねてきたが、最新の先進運転支援においては若干見劣りする部分があった。
新型 C3 での進化点
-
デザイン刷新とキャラクターの転換
従来型の“親しみやすさ”から、新型では洗練・タフネス・モダン路線への転換。 -
電動化対応
従来型には EV モデルがなかったり限られていたが、新型では e-C3 を新設。電動時代への本格対応。 -
安全・運転支援装備の拡充
従来モデルに比して、先進安全機能を標準化・アップグレード。運転支援性能・予防安全性能を強化。 -
室内質感・利便性の向上
内装素材・操作系の刷新、シート乗降性改善、荷室容量拡大など。これまでの実用重点路線から、快適性重視路線へのシフト。 -
ボディ設計・剛性向上
全高アップ、最低地上高確保、ボディ剛性強化、軽量素材併用など、走行性能・安全性を底上げ。 -
モデルラインナップの幅拡大
グレード・仕様の選択肢を増やし、ユーザーのニーズに即した構成を可能とする設計方針。
これらの変化により、新型C3は従来型ファンを置き去りにするだけでなく、新しいユーザー層も取り込む可能性を高めています。
年間維持費(具体的数値予測)
購入後にかかるランニングコストを見積もることは、購入検討時に重要です。以下は新型C3を日本で仮に導入した場合の予測値をもとにした想定シナリオです(あくまでモデルケース)。
想定条件
-
走行距離:年間 10,000 km
-
駐車場料金・保険・税金・消耗品等は平均水準
-
燃料価格:ガソリン 1 L = 180 円(仮定)、電力料金(EV用充電電力単価含む)= 30 円 / kWh(家庭用・公共充電込み平均値)
-
整備・車検・保険料等はコンパクト車平均として想定
ガソリン/マイルドハイブリッド仕様モデルの年間維持費想定
| 費目 | 金額(円) | 備考 |
|---|---|---|
| 車両重量税・自動車税・自賠責等 | 約 60,000〜90,000 円 | 排気量区分・地方税率による変動あり |
| 任意保険料 | 約 70,000〜120,000 円 | 保険条件により大幅変動 |
| 燃料費 | 約 90,000〜120,000 円 | 燃費 15 km/L×10,000 km → 約 666.7 L、1L=180 円 → 約 120,000 円。ただしハイブリッド併用で燃費改善を考慮し、90,000〜100,000 円程度と見積もる |
| 定期点検・消耗品(オイル交換、タイヤ摩耗、ブレーキパッド等) | 約 20,000〜40,000 円 | 使用頻度・走行状況により変動 |
| 車検費用(2年ごと)を年割換算 | 年あたり約 25,000〜40,000 円 | 重整備や部品交換込み見込み |
| その他(洗車・駐車場・消耗雑費など) | 約 10,000〜30,000 円 | 駐車場が別途必要な場合は別途大きなコストとなる可能性あり |
合計すると、ガソリン/マイルドハイブリッド仕様では、年間維持費はおよそ 300,000〜400,000 円弱 程度を見込むことが妥当でしょう。
EV(e-C3)仕様モデルの年間維持費想定
| 費目 | 金額(円) | 備考 |
|---|---|---|
| 車両重量税・自動車税・自賠責等 | 約 40,000〜80,000 円 | EV優遇税制がある場合も想定 |
| 任意保険料 | 約 70,000〜120,000 円 | 保険条件により変動 |
| 電力(充電)費用 | 約 60,000〜90,000 円 | 電費 7.27 km/kWh × 10,000 km → 約 1,375 kWh。電力単価 30 円/kWh → 約 41,000 円。急速・公共充電+損失考慮で 60,000~90,000 円と見積もる |
| 定期点検・消耗品 | 約 10,000〜30,000 円 | EV はオイル交換不要などでコスト低減が見込まれる |
| 車検費用(2年ごと)年割 | 約 20,000〜35,000 円 | 電動車でも法定整備は要 |
| その他(洗車・駐車場等) | 約 10,000〜30,000 円 | 駐車場別途コストあり |
合計すると、EV仕様では 年間維持費はおよそ 200,000〜300,000 円弱 を目安に見込めそうです。ガソリン・ハイブリッド仕様と比べて維持費優位性が出る可能性があります。
ただし、以下の点に注意:
-
充電インフラや充電頻度、公共充電料金設定次第で電力コストは大幅に変わる
-
保険料は車両価格や車種リスクに応じて変動
-
駐車場代・修理費・不測故障などの想定外費用も発生し得る
-
日本導入時には税制優遇制度(EV補助金、自動車取得税免除または軽減など)が絡む可能性もある
以上を考慮し、購入前シミュレーションをしっかり行うことを強くお薦めします。
リセールバリュー(下取り・中古価格見通し)
車を購入する際、将来の売却価値(リセールバリュー)も重要な判断材料です。新型C3の場合、以下の観点でリセールバリューに関して予測・考察できます。
強みとなる要素
-
ブランド・独自性
シトロエンは輸入車ブランドであり、他と被りにくいモデルとしてコレクター・輸入車ファン層には一定の支持があります。個性的デザインが強みとなり得る。 -
電動車・ハイブリッド車としての需要
EV やハイブリッド車へのシフトが進む中で、電動化対応車は将来的価値の伸び代が期待されます。特に EV モデルは将来の中古需要が上昇する可能性。 -
限られた流通台数
輸入車として導入される場合、台数が少ないことがリセールを若干押し上げる要因になる可能性あります。
弱み・リスク要因
-
輸入車ブランドゆえの整備・部品供給性
国産ブランド車と比べて整備網・部品供給コストが高くなる傾向があるため、維持コスト・故障リスクがリセールにマイナス影響を及ぼす可能性。 -
EVモデルのバッテリー劣化リスク
EV モデルが将来売却時にバッテリー容量劣化をどの程度経験しているかが中古価格に直結する。44 kWh という容量は大きすぎず小さすぎず、適切に管理されていれば中古価値を維持しやすい可能性あり。 -
モデルチェンジ・仕様変更リスク
将来の改良・後継モデル登場により型落ち感が出ると中古価格が下がるリスク。 -
為替変動・税制度変動
輸入車は為替や政策変動(税制改正、EV補助制度変化など)に影響を受けやすく、それが中古相場にも波及し得る。
中古価格見通し(仮定値)
仮に日本導入後 3〜5 年後に売却を想定する場合、良好な状態の車両であれば新車価格の 50〜70% 程度のリセールバリューが可能なモデルもあり得ます。ただしこれは、整備履歴・走行距離・バッテリー状態(EVモデルの場合)・市場需要・ブランド人気など多くの要因に左右されます。
まとめると、新型C3(特に e-C3 含む電動仕様)は、適切な維持管理と市場評価があれば、比較的良好なリセールバリューを期待できるモデルになり得る可能性があります。
購入検討のポイント
新型C3を購入対象として考える際、特に注意すべき点・比較検討すべき観点を以下にまとめます。
-
導入時期と仕様確定を待つこと
日本導入の公式アナウンス・仕様・装備・価格を確認することが最優先。特に安全装備・快適装備・補助金対象性などが最終仕様で変わる可能性あり。 -
電動化モデル(EV/ハイブリッド)を重視するか
EV(e-C3)モデルなら維持費メリットや走行性能優位も期待できるが、充電インフラ、バッテリー信頼性、充電時間など実用性への配慮が必須。
ガソリン・マイルドハイブリッドモデルも実用性とコスト面で魅力があるため、自分の使い方(通勤・週末走行距離・充電環境など)に応じた選択が鍵。 -
充電環境・インフラ整備の確認(EV購入時)
自宅での充電設備設置可否、公共充電器エリアの充実度、急速充電対応ネットワークの有無などを事前チェック。 -
安全装備・運転支援装備の内容確認
標準装備なのかオプションなのか、国別仕様でどの機能が付くかを必ず確認。特にADAS・衝突回避性能は注目点。 -
保証・アフターサービス網
輸入車である以上、保証条件・部品供給体制・サービス拠点数などは重要。保証延長オプションや電池保証などの有無を重視。 -
試乗・乗り味確認
快適性重視設計の足回りがどの程度実際に感じられるか、遮音性・振動抑制性・乗降性などを試乗時にしっかり評価。 -
コストシミュレーション
購入価格・維持費・税金・保険・充電/燃料コスト・減価償却・リセール価値などを含めたトータルコスト比較を実施。 -
ライバル車との比較検討
同クラスの EV 車・ガソリン車との比較を行い、価格差・性能差・ブランド価値・使い勝手などを天秤にかけること。 -
将来のモデル改良リスク
改良モデル・後継モデル投入リスクを考慮しつつ、型遅れ感が出にくい仕様選びをする。
これらのポイントを押さえて検討すれば、新型C3 の魅力を最大限引き出す購入判断ができるでしょう。
まとめ
新型シトロエン C3(および e-C3 を含む電動化仕様)は、シトロエンが主力コンパクトモデルにかける新たな挑戦と言えます。外観・内装デザインの刷新、室内空間の向上、電動化対応、多彩な安全装備、そして快適性重視の足回り設計などが注目ポイントです。
ただし、現時点では欧州市場向け発表であり、日本投入時には仕様変更・価格調整・認証プロセスを経る必要があります。導入時期は 2024 年 、日本では2025年11月に発売予定をしています。
購入検討者としては、「電動化モデルの選択」「充電インフラ環境」「安全装備仕様」「保証・サービス体制」「コスト・維持費試算」「ライバル比較」などを総合判断をすることが必要です。
将来的に日本市場に導入された際には、この新型 C3 がコンパクトカー市場において強力な選択肢となる可能性を秘めており、私も動向を注視したいと思います。



コメント