映画『ゆきてかへらぬ』レビュー!

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【時代を超えて心に響く】映画『ゆきてかへらぬ』レビュー!恋と芸術に生きた若者たちの青春群像

こんにちは!まっちゃんです。

今回は、2025年に公開された話題の文芸恋愛映画『ゆきてかへらぬ』をじっくりご紹介します!

この作品、ただの恋愛ものとは一線を画していて、実在の人物たちのリアルな情熱や葛藤を描いた人間ドラマなんです。舞台は大正時代。文学や芸術に命を懸けた若者たちが、恋に、表現に、そして生きることそのものに向き合っていきます。

歴史的背景がありながらも、今の時代に通じるテーマがぎゅっと詰まっていて、正直めちゃくちゃ心に刺さりました。文学好きはもちろん、深い人間ドラマを求めている方には激推ししたい一本です!


🎬 1. 作品情報まとめ

  • タイトル:ゆきてかへらぬ(英題:Yukite Kaeranu)

  • 公開年/上映時間:2025年/128分

  • 制作会社:キノフィルムズ

  • 監督:根岸吉太郎(『遠雷』『ヴィヨンの妻』など)

  • 脚本:田中陽造(『青春の門』『人間の証明』)

  • キャスト

    • 長谷川泰子:広瀬すず

    • 中原中也:木戸大聖

    • 小林秀雄:岡田将生

    • 富永太郎:田中俊介

    • 鷹野叔:トータス松本

    • 長谷川イシ:瀧内公美

    • スター女優:草刈民代

    • 辰野教授:カトウシンスケ

    • 中原孝子:藤間爽子

    • 勤め人:柄本佑

  • ジャンル:文芸ドラマ/恋愛/青春群像劇


📝 2. あらすじ(ネタバレあり)

舞台は大正時代末期、京都から始まる物語。

20歳の長谷川泰子は、舞台女優を志して京都で活動していたが、ある日出会ったのが17歳の学生詩人・中原中也。まだ未熟で不器用な彼との出会いが、彼女の人生を大きく揺さぶります。

やがて二人は惹かれ合い、恋に落ち、京都を離れて東京へ。小さな下宿で貧しいながらも夢を語り合い、創作に情熱を燃やす日々が続きます。けれども、その絆は少しずつすれ違い始めていきます。

そこへ現れるのが、のちに文芸評論家として名を成す小林秀雄。中也の才能に強く惹かれると同時に、泰子にも魅せられていく秀雄。三人の関係は複雑に絡まり合い、時に激しく、時に静かに心を揺さぶり合っていきます。


✨ 3. 映画の魅力をたっぷり語りたい!

📷 映像の美しさ

まず、画の美しさに目を奪われました。京都の町家、東京の下町、喫茶店、芝居小屋……どれも息を呑むような空気感で、”時代を旅する映画”と言いたくなるほど。背景の描写が丁寧で、まるで美術館にいるような没入感があります。

🎭 キャラクターと演技のリアリティ

キャラクターたちはどれも実在した人物ですが、歴史的な重さに縛られることなく、とても人間味がありました。広瀬すず演じる泰子は、時に強く、時に脆く、現代の女性観ともリンクする自立心を持っていて共感度高め。

木戸大聖の中也も、若さゆえの爆発力がリアルで、岡田将生の秀雄は理知的でありながらもどこか破綻寸前の危うさを持っていて、惹き込まれます。

🌅 演出の静かなる巧みさ

セリフがなくとも“心が伝わる”演出が多く、例えば、泰子と中也が窓辺でただ背中を向け合う場面には言葉では語れない余白がありました。音や視線、わずかな間が心情を語るのです。この“間”の演出力、邦画ならではの美学だと思います。


🎵 4. 音楽・主題歌・演技へのこだわり

音楽担当の岩代太郎さんは、重厚なクラシック調のスコアで物語をしっかり支えています。特に中也が詩を詠むシーンの静かなピアノは、まるで彼の内面が音になったよう。

そして主題歌。キタニタツヤの曲が流れるエンディングは、静かな余韻をさらに深く刻みつけてくれました。時代物なのに、現代の感性とも通じる不思議な感動がありました。


💭 5. 感想・個人的レビュー

この作品を観て強く感じたのは、「誰かを愛すること」と「自分の道を生きること」は、ときに矛盾しながらも、どちらも人間にとって大切だということ。

中也の死が訪れたあと、泰子は振り返らずに前へ進もうとします。彼の才能も、愛も、すべてを抱いたまま。でも、それは決して逃げではなく、“生き抜く”という意思。これは間違いなく、彼女の物語なんです。


⭐ 6. 総合評価(★5段階)

項目 評価
ストーリー ★★★★☆
映像美 ★★★★★
音楽 ★★★★☆
演技 ★★★★★
メッセージ性 ★★★★★
  • 難解なテーマを扱っていながらも、決して堅苦しくなく、むしろ今を生きる人へのエールのような映画。

  • 初心者でも安心して観られる構成ですが、文学や歴史に興味があるとさらに深く味わえるタイプです。


🎯 7. こんな人におすすめ!

  • 文学作品や詩が好きな人

  • 大正〜昭和初期の日本文化に興味がある人

  • 恋愛映画より“人生映画”を観たい人

  • 『この世界の片隅に』『風立ちぬ』『愛のむきだし』など、静かな情熱を感じる作品が好きな人


🧠 8. 豆知識・裏話

  • 実はこの脚本、40年前に田中陽造さんが書いたものがベース!長らく“幻の企画”だったものが、ついに映像化されたそうです。

  • 撮影では、昭和初期の町並みを再現するため、全国の古民家やスタジオをフル活用。リアルなセットも見どころ。

  • 作中に引用される中原中也の詩は、原文ママで登場する場面もあり、詩集片手に観るのもアリかも!


🔍 9. ネタバレ込みの考察ゾーン

中也の詩「ゆきてかへらぬ」は、文字通り“失われたものは戻らない”という喪失のテーマ。

彼の生涯そのものが、燃えるような愛と、それを焼き尽くしてしまう表現欲に満ちていました。

泰子の“自分の道を選ぶ”という決断は、当時の価値観ではとても過激だったかもしれませんが、それを自然に描いているところが本作のすごさ。愛を捨てたのではなく、愛に背中を預けたまま未来へ歩き出す。その姿が胸を打ちました。


🎬 最後に

『ゆきてかへらぬ』は、まさに「時間が経つほど心に残る」タイプの映画です。

人生は、誰かと出会い、愛し、別れ、また進んでいく。その当たり前の営みの中に、これほどまでに深いドラマがあるのだと、静かに教えてくれる作品でした。

気になっていた方はぜひ一度、その目で、その心で確かめてみてください。

それではまた、次回の映画レビューでお会いしましょう!🎥📚✨

📺 視聴方法(配信情報)

『ゆきてかへらぬ』は現在、【Amazon Prime Video】 にて配信中です。

大正ロマン×実在人物の濃密ドラマを、自宅でじっくり楽しめます!

【Amazon Prime Video】

(※プライム会員は追加料金なしで視聴可能な場合があります)

 

 

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